2020年3月期のANA決算がでてきましたので、早速内容を解説していきたいと思います。
ANAが赤字って聞いたけど内容が良く分からない
今後、航空需要はどうなるの?
航空関連株は買っても大丈夫?
そういった疑問にお答えしていきます。
ANA:2020年決算の主要数値
売上高は7,286億円(前年対比37%)、経常利益は▲4,513億円でした。2020年10月の計画から比べると、売上は伸びなかったが赤字は抑えられたと評価できるかと思います。
ネットを見ていても、これだけ需要が減っている中、赤字を4,000億円程度に抑えたことに対しては評価の声が上がっています。航空機の売却や人員の圧縮を進めてきた結果が表れています。
機体数は2019年に303機だったものが271機にまで減っており、2020年末に人員を減らしたり他社への出向を促したりしましたが、今後もさらに人員減を進めていく方針のようです。
ANA:2021年決算見込
売上高は1兆3,800億円(内、航空事業の売上は1兆2,040億円)、経常利益は50億円の見込です。ギリギリ黒字転換するという意気込みです。強気の見込と言ってもいいかもしれません。
国際線は+1,962億円で前年のおよそ2倍(2020年は2,081億円)、国内線は+3,368億円で前年の2.5倍(2020年は2,265億円)を見込んでいます。2019年の航空事業の売上が1兆4,300億円なので、2021年には2019年比の80%までには回復する見込みです。
私個人的には、かなり意欲的な目標だと思います。
確かに、2020年を見ると徐々にでるが航空需要は回復してるように見受けられます。しかし、2021年になった今でもコロナウィルスの感染は世界的に見れば広がり続けていますし、ワクチン接種が進むのももうしばらく時間がかかるでしょう。
少なくとも隔離制限なく海外に渡航できるようになるまでは国際線需要が戻ってくることはないでしょう。根拠があっての数字だとは思うので注視したいところです。
ANAの財務状況は?赤字に耐えられる体力はあるか?
2020年には大規模な資金調達をして、有利子負債が1兆6,554億円に増えています。有利子負債比率は160%で、2019年末の80%から比べると大きく増えています。
一方で、借入金を増やしたため現金がかなり増えています。手元流動性資金は9,657億円と潤沢にあり、すぐに会社が危なくなるという心配はないでしょう。
ただ、借入金が増えているので利息支払いも大きくなっており、コロナ後に以前のように投資を続けていけるかというと、すぐには難しいかもしれません。
ANA株の今後の推移は?
今後の動きは分からないのですが、決算後の値動きを見るとマーケットは今回の決算を好意的に見ているように思います。
4月30日の終値は2,505円。前日終値より微増し、大きく下落することはありませんでした。買い時かどうかはマーケット次第なので分かりませんので、株式投資は自己責任でお願いします。
株式投資を始めたい、興味がある、と言う方は以下の記事を参考にしてみてください。ANAなどの株も、小額から購入することができます。
まとめ:コロナ前の世界にいつ戻るのかが鍵
まとめです。
- コロナで航空需要が低迷する中でコストダウンを進めて赤字幅を4,000億円程度に抑えたのは御の字
- 借入金を増やしており、現預金が十分にあるのですぐに倒産する危険はない
- 航空需要が戻るかどうかはコロナ次第。ワクチン接種が進んだからといって航空需要が戻る保証はないので、2021年の見込は精査する必要あり
2021年でどうなるかはコロナ次第かと思います。
アメリカなどワクチン接種が進んでいる国では出口が見えてきてるような報道も多いですが、日本を見ていると終息の気配は見えません。それどころか、インドなどでは変異株が猛威を振るっており、感染は収束するどころは加速度的に拡大しています。
私は普段からANAにお世話になっており、かつANAマイラーでもあるので何とか頑張ってほしいと願っています。2021年の業績見込みは強気に見えますが、早く航空需要が回復して、日常が戻ってくることを
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