損益計算書(PL)とは?5つの利益をわかりやすく解説

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損益計算書って何?私にも読める?

粗利とか、経常利益とか、利益って言葉がたくさんあるけどどう違うの?

こういった質問に答えていきます。

決算書は数字の羅列で難しく感じますが、大丈夫。

ポイントさえ押さえれば、必ず読めるようになります。それでは、早速解説していきます。

損益計算書(PL)とは?

損益計算書は、英語のProfit and Loss Statementを略して、PLとも呼びます。

損益計算書とは何かというとズバリ、

損益計算書とは?

会社の経営成績が分かる、特に利益がどれくらい得られたかわかるもの

です。

ただ、ひとくくりに利益と言っても、利益という言葉にはいろいろな種類があります。

粗利とか、営業利益とか、経常利益とか、いろいろな言葉を聞いたことがあるかもしれません。損益計算書では利益を5つに区別しています。

大事なのは、それぞれの利益の性質を理解することです。

これから、5つの利益について解説していきます。

5つの利益を分けて理解しよう

損益計算書には、5つの利益が登場します。

損益計算書に登場する5つの利益
  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引き前当期純利益
  • 当期純利益

できれば5つの利益を覚えてしまいましょう。忘れそうであれば、この記事を保存しておいて必要な時に見返してみてください。

この5つの利益の関係性は、図に表した方が分かりやすいです。

下の図を見てみてください。

5つの利益

売上高から諸費用を引いていって、一番最後に残る利益が当期純利益になります。

支払う費用の性質によって、費用をどこで引き算するかが変わってきます。

売上総利益

売上高から売上原価を引いた利益が、売上総利益です。

粗利と言う言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、粗利とは売上総利益のことを指します

ある八百屋さんが、60円で買ってきた人参を100円で売っていたとします。この場合、60円が売上原価になります。

売上総利益の式は、以下になります。

売上総利益 = 売上高 ー 売上原価

先ほどの図でいうと、以下の部分ですね。

売上総利益
新人営業マン
新人営業マン

先輩、新規の顧客から受注しました!

先輩
先輩

新人くん、利益はどれくらいとれているのかしら?

日々の会話の中でも利益という言葉を使ってますが、どの利益のことを指しているのか、考えてみると良いです。曖昧に使っている人は結構多いです。

営業利益

2つ目は営業利益です。

売上総利益から販売管理費を引いた利益です。

営業利益

以下の式になります。

営業利益 = 売上総利益 ー 販管費

さて、ここで登場する販売管理費とは何を指すのでしょうか?

大きく、2つの費用のことを指します。

販売管理費とは?

販売管理とは、販売費及び一般管理費の略です。2つに分けられます。

販管費は2つに分けられる

販売費: 商品やサービスの販売にかかる費用

管理費: 会社全体の管理にかかる費用

販売手数料とは?

販売費とは、

販売手数料、広告宣伝費など

営業、販売に関する費用を指します。

一般管理費とは?

一般管理費とは、

家賃、水道代、コピー機、電話代、接待交際費、旅費など

など、間接的に会社運営にかかる費用をまとめて一般管理費と言います。間接部門の人件費なども、ここに該当します。

経常利益

3つ目は、経常利益です。

経常利益とは、営業利益から営業外損益を差し引いた利益です。

経常利益

経常利益 = 営業利益 ー 営業外損益

この図では、営業外損益がマイナスになっていますが、営業外損益という言葉にあるように、利益がでてプラスとなる場合もあります。

岩塚製菓は、中国の菓子メーカーに出資しており多額の配当金を受け取っています。営業利益より、営業外収益の方が大きいという珍しい事例です。

岩塚製菓が旺旺から受け取った2020年3月期の受取配当金は、22億8000万円。ちなみに米菓を製造販売した営業利益が、約1億7000万円だった。つまり、「本業」の10倍以上の営業外収益を得ているわけだ。

新潟の小さな煎餅会社が、台湾の世界的企業から22億円もの配当を得ている理由

営業外損益とは?

そもそも営業外損益とは何かというと、本業以外で発生した利益や損失のことを指します。

例えば、銀行からお金を借りて事業をしているのであれば利息の支払いが必要になります。

利息の支払いなどがこの項目に当てはまります。

営業外収益

受取利息、受取配当金、割引料、など

営業外費用

支払利息、有価証券売却損、売上割引、デリバティブ評価損など

税引き前当期純利益

続いて、税引き前当期純利益です。

税引き前当期純利益は、経常利益から特別損失を除いた利益です。

特別とは何を指すか?

会計上では、企業の活動とは関係のない、その期(1年間)だけ発生する特別な利益や費用のことを指します。

特別利益を営業外損益に混ぜてしまうと、本来の実力を見誤ってしまう可能性があるので、経常利益から差し引くこととしています。

税引き前当期純利益 = 経常利益 ー 特別損益

特別損益とは?

特別損失とは上記の通りですが、具体的にはいかのような項目が当てはまります。

特別利益

不動産や証券の売却益、前期損益修正益など

特別損失

自然災害による損失、長期保有している株式や証券の売却損など

当期純利益

最後は、当期純利益です。

特別損益を除いた税引き前当期純利益から、法人税の支払いを除くと、当期純利益になります。

当期純利益

当期純利益 = 税引き前当期純利益 ー 法人税等

税金まで払い終わって、最後に手元に残った利益が当期純利益です。

ちなみに、日本で当期純利益が最大なのはトヨタ自動車です。なんと当期純利益が2兆円もあります、想像がつかない数字ですね。

貸借対象表との関係性は?

ここまでみてきたように、損益計算書をみれば、企業が1年間の営業活動を通じてどのくらい利益を得たかが分かります。

資産や負債がわかる貸借対照表とは一見全く別のものに見えますが、この2つは連動しており、当期純利益が貸借対照表の利益余剰金に反映されます。

当期純利益の分だけ、利益余剰金が増えます。

利益余剰金

利益余剰金は、内部留保とも呼ばれます。日本の企業は内部留保が多いので賃上や配当などで吐き出させようという論調も多いですが、個人的には反対です。

内部留保=事業を通じて儲かったお金の蓄積です。赤字にならない限り利益余剰金は減らないので、黒字続きであれば利益余剰金はどんどん積みあがっていくことになります。

この記事を読んだあとにすること

損益計算書は理解できたよ、という方はいかの記事も見てみてください。

しろくまが使って実際によかった本をまとめています。

この記事を書いた人
しろくま

タイのバンコクに在住。ブログ書いてます。
海外駐在の体験や、株式投資に関してブログ書いてます。本業×副業で資産を増やして、2026年にセミリタイアが目標。
他の国にも住んでみたい。

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